一般皮膚科外来
かゆみを伴うものは、かゆみ専門外来、
にきび・にきびあとは、にきび専門外来、
新生児(NICU退院後含む)~12歳の皮膚トラブル・スキンケアは、赤ちゃん子ども外来、
肝斑は、肝斑治療専門外来 を参考にしてください。
他、皮ふ表面のものでも、ほくろやできもの、きずあとなど、形成外科領域のものは、形成外科部門にて拝見していますので、参考にしてください。
多く相談を受ける疾患
多汗症
多汗症には、全身に汗が増加する全身性多汗症と、体の一部にだけ汗が増えてしまう局所多汗症があります。
全身性多汗症には、特に原因のない原発性と、感染症など体の中からくるものがあります。局所多汗症にも、原因のはっきりしない原発性と、神経の障害によるものがあります。主に手のひら、足のうらや、わきという限られた部位の両側に、過剰な発汗を認める疾患です。
多汗症の、保険適応の塗り薬の治療はここ数年でかなり進歩してまいりました。
手のひらの多汗にはアポハイドローション。これは1日1回、両手のひらに塗るだけで次の日1日の汗を止める塗り薬です。
わきの多汗には、ゲルタイプのものであれば、エクロックゲル。1回1回、お手ふきのように封を切って、拭いて使うのであれば、ラピフォートワイプ。

いずれにも共通していることは、1日1回の外用で良いことです。そもそも原発性の多汗症では、汗を出す神経の、「汗を出せー」という命令がたくさんきてしまっている状態です。これら外用薬を使うと、その命令をブロックし、結果として汗が出にくくなる、というストーリーになっています。これらの薬と患者さんの間で相性が成り立つことが大事で、使い始めてもなかなか止まらない場合は早めに見切りをつけて治療法を切り替えています。
外用で難しい場合には、プロ・バンサインという内服薬も選択肢に入ります。こちらは、先ほど書きました「汗を出せー」という命令を止めていくようはたらきかける薬になります。いずれのお薬にも、副作用があります。それは、汗だけでなく唾液も出にくくなってしまうことで喉が渇いたりすることがあげられます。
とはいえ、すべてのかたがたに副作用が必ず出るわけではございませんので、まずはどの治療からスタートすべきか一緒に考えましょう。
保険診療範囲内では、それ以外に漢方薬の内服を併用することも可能です。こちらは連日の内服を継続することが大切になりますので、それが差し支えなく可能な方には、併せてご紹介・処方しております。
保険診療による多汗症治療では効果不足である場合や、後頭部、額、顔の一部、足の裏など、保険診療が及ばない特定の部位の多汗を抑えたい場合には、当院ではボトックス注射を提案しております。こちらは1回の施術(所要時間5〜10分程度)で約4〜6か月、効果が持続します。その間、外用や内服の負担から解放されるので、非常に楽です。
ボツリヌス毒素を用いて、汗を出す局所の神経の作用を止めるというものですが、当院に繰り返し通うことがお忙しくて難しいかたも、こちらをお選びになられています。施術の費用は、使用単位数によって異なりますので、施術前の診察にて単位数を決めております。
多汗症に対するボトックス注射
50単位 |
121,000円から2割引 ¥96,800(麻酔代込・税込) |
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無汗症
こちらは、比較的めずらしい疾患です。運動、入浴、サウナなど、発汗するような環境下にありながら、発汗の量が正常より少ない場合を乏汗症、発汗が完全に無い場合を無汗症といいます。
汗を出すことは体温の調節に必要であるため、運動や暑い環境で体に熱がこもってしまい、全身のほてり感、体温の上昇、脱力感、疲労感、顔面紅潮、悪心や嘔吐、頭痛、めまい、動悸などがみられ、熱中症になることもあります。
無汗症、減汗症の原因はさまざまです。先天性(生まれた時からある)では、体の一部の形の異常が見られたり、内臓の異常を伴うことがあります。
後天性では、シェーグレン症候群などの自己免疫性疾患、交感神経の異常、代謝の疾患そしてくすりによって引き起こされた発汗の障害もあげられます。さらに、原因がはっきりしない特発性の無汗症もあります。特発性には、全身性で起こるものと、体の一部で起こるものとがあります。

やはりこの場合でも、体温の調節が上手にできなくなるため、前述のような体温上昇などの症状や、熱中症になることがあります。皮ふでは、ピリピリとした痛みや、じんましんが生じることがあります。これら無汗症は、夏に良くなり、冬に悪くなることが多いです。
運動や半身浴などで、汗を出すトレーニングをすると、自然に良くなることもあります。また、汗を抑制してしまうとされるヒスタミンを抑えるために、抗ヒスタミン薬を多く飲むことを試みることもあります。
熱中症を引き起こすほど重いときには、入院のうえ点滴治療をすることが必要になるため、大きな病院へ紹介といたします。ただそもそも、本当に無汗症なのかという診断の見直しも大切です。
といいますのは、アトピー性皮膚炎のある方は、一部だけ汗が異常に出る代わりに、また違う部位では汗が出にくいことが多いことがわかってきています。この場合、当院の診療経験において、アトピー性皮膚炎をつるっときれいな肌色になるところまで改善すると、その頃には発汗のアンバランスさも改善してくることに気づきました。
つまり、発汗のアンバランスさを自覚されている方々に、アトピー性皮膚炎が隠れていないかという目線で診療することは非常に大切だと思います。是非一度ご相談ください。
稗粒腫
目のまわりや外陰部にできることの多い、かたくてコロコロした白いできもののことです。これは、うぶ毛の毛穴にできたものです。擦れるとできやすいと言われていて、たしかによく泣く子の目の周りには目立ちますね。赤ちゃんなら自然に取れることがあるのですが、大人では自然に脱落することはまず難しいです。当院では、その日にパッと針を使って取ることができ、日本の保険適応です。10箇所までなら当日5〜10分程度の所要時間にて、保険適応での除去を実施しています。
数十個あるものを1回の施術で除去する場合には、当院では麻酔クリームを用いて疼痛を少なくし、除去に伴う止血にレーザーなどを用いることで、たくさんの除去施術においてもできる限り綺麗に仕上げられるように努めています。その場合の費用は自由診療となり、いぼ・ほくろの取り放題の費用に準じます。個数の上限はございません。

尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)
「いぼ」は顔や手足に生じることの多い小型のできものの総称です。中でもウイルス性のいぼは医学的には尋常性疣贅と呼ばれ、集団生活にて感染することで発症します。
保育園や幼稚園、小学校から高校、プール、ジムなど、年齢や性別を問わず感染します。触ってしまうと自分の手指にも感染したりと、どんどん増えてしまうので、早期診断と治療介入が大切です。自然に治ることはとても少ないです。
保険診療では、盛り上がったいぼ表面を削る処置や液体窒素による冷凍凝固法が適応となります。もちろん当院でも行っております。
しかしながら、その治療法を繰り返しても難治である場合もございます。他院にてその治療にてなかなか完治に至らなかった方が当院にいらした場合、当院では内服薬や外用薬の追加のほか、厚生労働省認可のYAGレーザーを用いて、ウイルスが作りあげた血管の塊を焼き、根本から治療する方法もご提案しております。
尋常性疣贅に対するYAGレーザー治療
1回 |
¥10,000(税込) |
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当院では、ご兄弟から尋常性疣贅が感染し、かつ液体窒素療法での完治が難しかった例に対して、レーザーなど他さまざまなアプローチを組み合わせて完治に導いた例が数多くございます。他院にて重症と診断された方も、是非一度ご相談くださいませ。
円形脱毛症
★当院は、厚生労働省の生物学的製剤承認施設であり、円形脱毛症治療における全ての薬剤の処方経験がございます。
円形脱毛症は、多くの場合は、頭部において直径数cmの範囲で円形の抜け毛が起こり、複数箇所場合から、頭全体、さらに眉毛や睫毛も抜けてしまう場合もあります。当院では、全てのタイプの円形脱毛症の治療経験があります。円形脱毛症は、自然に数ヶ月で治ることもありますが、再度ほかの所に脱毛が出現し、繰り返すこともあります。
ストレスが関係すると一般的には言われていますが、実際なぜ発症するのか明確にはわかっていません。皮膚の中にある髪の毛の細胞の周りに、いじめっこ細胞が集まり、髪の毛の細胞を攻撃してしまうことが、突然起きてしまうのです。
当院では、保険適応の各種治療を組み合わせて、治療を行います。外用薬、内服薬、光線療法、場合によっては頭皮への注射が効果の高いものとなります。従来のこれら治療に加えて、当院で行っているものはJAK阻害薬オルミエントまたはリットフーロの処方になります。当院ではいずれの薬剤においても処方・そして毛髪の再生確認経験があり、厚生労働省の生物学的製剤承認施設です。ただ、これら薬剤は、厚生労働省の定めるJAK阻害薬最適使用推進ガイドラインに基づき、血液検査などの事前検査を処方前に必要としています。
魚の目、たこ(鶏眼、胼胝)
足の裏や手足の指にできやすい、皮膚表面がかたくなってしまった部分のことです。皮膚の一番表面のレイヤー部分が、外から靴の影響で擦れたり、圧迫されたりした刺激によって、分厚くなってしまったことで起こります。外側に向かって分厚くなれば、たこと呼ばれ、平べったく固い部分が徐々に広がっていきます。
皮膚の内側に向かって分厚くなり芯を伴うと、魚の目と呼ばれ、皮膚の痛みを感じる神経のあるレイヤーまで達すると、歩くたびに痛くなる場合がございます。
当院では、いずれも保険適応にて削って芯をとる処置を行っています。即日で痛みの解除が可能です。ただし、内部で感染を伴ってしまっている場合もあり、その場合は抗生剤の内服や外用が必要になります。
削る処置を行っても、4〜6週かけて再び硬くなって再発することがあるため、それを繰り返してこられた方の場合には、マヌカハニーとサリチル酸を用いたピーリングを両足裏全体に行う施術もご提案しています。こちらは強い効果があり、皮膚の角質層のターンオーバーを調整する働きもあるため、元々のお悩みの解決はもちろんのこと、より美しい足裏になることが可能となります。詳しくはピーリングのページをご覧ください。
水虫(白癬)
当院では、頭部白癬、体部白癬、足白癬、手足の爪白癬など、いずれの白癬菌すなわち水虫菌の疾患においても治療経験がございます。これらは、水虫菌の感染によって生じるもので、例えば足白癬は有名ですが、足の皮むけから始まって、爪にも感染していきます。これは、手指においても同様です。学校など集団生活やプール、ジムでの感染が一般的です。
当院では、疑わしい症状を持つ方を拝見した場合には即日その場での顕微鏡検査による迅速診断・治療開始が可能です。
外用薬や内服薬にて治療が可能です。いずれにおいてもメリット・デメリットがあるため、診察時に詳しくお伝えしています。全て保険適応となります。
また、他院にて水虫の治療を開始した後悪化してしまった例や、その薬にかぶれてしまった場合の治療も経験しております。市販薬では完治はできない感染症です。お早めにご相談ください。
帯状疱疹
帯状疱疹は、文字通り、帯状に水疱が広がってしまう、水ぼうそうと同じウイルスが原因の皮膚感染症疾患です。体の左右どちらか一方に、痛み、かゆみ、水ぶくれなどがあらわれます。赤い水ぶくれに先んじて、5日ほどかけてチクチク、ピリピリ、ズキズキといった違和感および痛みが現れます。この時点では皮膚表面には何もないため、内科や救急外来を受診される方もいらっしゃいます。
頭の先から足の先までどこでも発生しうる可能性があり、神経節に沿って帯状に皮疹が広がります。早期診断および治療が後遺症の予防にも大変大事になりますので、上記のような違和感や痛みを感じた場合はどうぞ当院にご相談ください。
幼少期に水ぼうそうに感染した後、ウイルスは体の外に出ることはなく、誰であれ体の中に潜伏します。大人になってから、疲れやストレスを引き金として、ウイルスが目覚めて帯状疱疹という形で表面に出てきてしまいます。日本人の9割以上はこのウイルスに感染しているため、誰でも帯状疱疹を発症する可能性があります。一般的に50代以上の女性に多いとされていますが、当院では10代から性別問わず診断・治療経験がございます。
帯状疱疹の治療の基本は抗ウイルス薬となります。症状の内容に合わせて、抗ウイルス薬を選定し、ウイルスによって障害されてしまった神経の治療も同時に開始いたします。皮疹部に強い痛みを伴うこともあるため、それを緩和する目的で軟膏を外用する処置も行っています。
また、免疫の低下が原因で起こってしまうことと、皮疹部が炎症後の色素沈着を起こすことが多いことから、その2つに同時にアプローチできるオリジナルのビタミン点滴の案内も行っています。抗ウイルス剤などと併用にはなりますが、副作用のリスクが極めて少なくメリットが多いです。
合併症には髄膜炎から難聴、結膜炎や麻痺など様々なものがあり、それらを疑う場合には大きな病院での入院治療が必要となるため、その場合は連携病院への紹介を行っております。当院の連携病院は「往診・連携病院」のページに掲載しております。
脂漏性皮膚炎
髪の毛の生え際や、眉毛周囲、眉間、鼻の周囲といった、皮脂が多く分泌される脂漏部位と呼ばれる場所で、がさがさとした赤みが出る皮膚疾患です。毛穴に住んでいる、人の常在菌の1つであるマラセチアという菌が、汗などをエサにして増えてしまっていることにより起こります。がさついているからと、保湿を足し算していくかたが多いのですが、それでは逆効果で、より悪化してしまうことが多いです。
こちらに関しては、かゆみを伴うこともあるため、当院院長の執筆書籍「かゆみが痛みよりつらいあなたへ」より、解説を一部抜粋します。
かゆみを伴う場合でもそうでない場合でも、保険適応の外用薬を使用することで改善がのぞめます。
蜂窩織炎
皮膚とその下の軟部組織にバイ菌が入ってしまったことで、感染を起こし炎症が広がってしまった疾患です。当院では毎月、新しい蜂窩織炎の患者さんがいらしていますが、中でも多いのは同時に足白癬が見つかることです。つまり、元々水虫にかかってしまっていて、その菌が傷口などから皮膚の中に侵入し、皮膚の中から炎症を起こしてしまっているパターンです。
当院では、炎症の強さに応じて即日での抗生剤の点滴投与が可能です。治癒するために生活で必要なことのアドバイスも行います。しかし、発熱を伴っているなど全身症状を伴う場合は、提携病院にご紹介することもございます。